笑顔の向こうの君に
1章

夏休み

夏休み真っ只中、というのに、

親は仕事が忙しくて

旅行にも行けてない


中学までの夏休みは、

1週間くらいの旅行に

連れてってくれてたのになぁ



「ちひろー、今日はどうするの?
家にずっといる?」



「んー、外は暑いけど、
家に居ても暇だから図書館行ってくる。」



「じゃあ、
お母さん仕事行くから
戸締まりしていってねー。」



「はーい。」


私は、宮本ちひろ。高校2年生。


身長も成績も平均くらい。


好きなことは本を読むこと。


図書館には1日中いても飽きない。



さてと 、

今日は時間もあるし...

私は電車で30分ほどの所にある

隣町の図書館に

行くことにした。



そこは、私の町の図書館より大きいし、

駅前にあるから便利。

図書館が大きいってことは、

本の数も多いってこと。

私の町の図書館は、

幼い頃から通っていて、

司書の人とも仲良しだし、

居心地もいいんだけど、

今日みたいに長期休みのときとか、

ちょっと遠出したいってときは、

隣町の図書館に行く。



図書館に着くと、夏休みということもあり

館内は、

いつもより多くの人でにぎわっていた。


私は窓ぎわ近くの席にリュックを置いて、

今日読む本たちを選びに行く。


何冊か本を持って

椅子に座り

読み始める 。




まず、1冊目。

ある特殊能力を持った中学生チームが様々な事件を解決する話。
私が小学生の時からずっと続いているシリーズ物語。
一応、
小学生向けって書いてあるけど、
私は、高校生になってもなお、
新刊が出るのを楽しみにしている。

2冊目は、
料理が1つも出来ない女性が、
好きな男を振り向かせたくて、
料理を極めていく話だった。


こうして、

3冊目のミステリー小説の物語が

中盤に差し掛かろうとしたとき



突然、頭の上で声がした




「すみません。
隣、座ってもいいですか?」


私が、びっくりして顔を上げると、


そこには、

分厚い本を持った人が立っていた。



いつもなら、

1つのテーブルを

1人で占領できるのだが...

今日は混んでるから仕方がない。



私は、隣の椅子に置いていたリュックを

自分の足元に移した。


そして、

「どうぞ。」という意味を込めて

私は、ペコッと頭を下げ、

また自分の本に目を戻した。



それから、どのくらい時間が経ったんだろう。
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