いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─

夫のいる家に不倫相手を泊めるのか?!

なんて大胆な……！

これはもう理解しようとする方がおかしい。

「いや……今日は真央と一緒に帰って、話したいことがいろいろあるから」

「ふーん……そうなの？残念。真央ちゃんは少しくらい飲める？」

急に私に話を振られ、心臓が口から飛び出るかと思うほどうろたえた。

上司の奥さんに勧められたお酒を断るのも申し訳ないので、おそるおそるグラスを差し出す。

「えっと……はい、少しなら……」

「じゃあ少しだけ、無理しない程度に付き合ってね」

奥さんは私のグラスにビールを注ぎ、池崎課長は立ち上がって冷蔵庫を覗く。

「創、ノンアルのビールあるけど、飲むか？」

「ああ、それもらうわ」

池崎課長夫妻と私はビール、安藤部長はノンアルコールビールで乾杯した。

その流れでビールを飲んでグラスを置くと、奥さんはテーブルに頬杖をついて、私と安藤部長を交互に見た。

「創、ちゃんと紹介しなさいよ」

「ああ……」