いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
創さんはすごい勢いで私を組み敷き、唇に噛みつくようなキスをした。

もしかしたら私、このまま本当に食い尽くされてしまうのではなかろうか?

「晩御飯は何がいいかって聞いたんですよ?」

「晩飯は鯖の竜田揚げと豚汁がいい」

「じゃあ買い物に行きましょう」

「うん、でもその前に真央を美味しくいただく」

その手に触れられると、ゆうべ愛し合った余韻の残る体は易々と熱を帯び、丁寧にほぐされて余すところなく隅々まで愛でられた。

創さんは『真央、愛してる』と囁きながら、空腹の獣のように私の体を激しく貪る。

ひとしきり愛し合ったあと、創さんは私を抱き寄せて頭を撫で、頬や額や唇に何度もキスをした。

「ゆうべもあんなにしたのに……」

「ゆうべはゆうべ、今日は今日だろ?それに俺は真央だったらいくらでも食える」

「いくらでもって……」

「でもさすがに腹減ったな。どこかで飯食って買い物に行こうか」

どうやら私の愛しい夫は疲れ知らずで、食欲も性欲も愛情も人一倍旺盛なようだ。



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