副社長の初めての相手は誰?


 長い何月離れていて、再び繋がれた優輝と希歩。


 お互い1つになると、今まで抱えてきた気持ちが何となく伝わってくる。


 離れていた分がとても愛しい。

 そして選んで産まれてきてくれた、絢と忍が優輝と希を繋いでいてくれたのだと改めて感じた。

 
 もう言葉はいらない。

 もう迷わない。

 ずっと愛してゆこう…。


 優輝も希歩も素直にそう思った。








 
 しばらくして。


 2人は抱き合っていた。


 お互いの鼓動を感じるのが心地よい。



「そろそろ、絢の傍に戻った方がいいわ…。目が覚めて、貴方が居ないと絢が寂しがるから」

「じゃあ、希歩も一緒に行こう」

「私も? 」

「だって、希歩だけいないなんて嫌だよ。家族じゃないか」

「家族…」

「そうだよ。絢だって、本当は希歩にも傍にいて欲しいって思っているよ」

「そっか…。それで、なんとなく寂しさを感じていたのね…」


 そっと、優輝は優しく希歩の頭を撫でた。

「…傍に居ると落ち着く。…やっと、一緒に居られるようになったんだよ」

「うん…」


 そっと見つめ合って、優輝と希歩は微笑み合った。









 和室ではぐっすりと眠っている絢がいる。


 絢を真ん中に挟んで、優輝と希歩は寝る事にした。


 とても安心した顔で寝ている絢。


「絢の顔の傷、すっかり治って良かったよ」

「そうね、傷跡残らなくてよかったわ」

「忍君も、もう少ししたら退院だね」

「うん…」

「帰ってきたら、4人で一緒に寝よう」

「うん。そうする…」

 
 絢の寝顔を見ながら、優輝と希歩は眠りについた。
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