私が母を捨てるまで

祖母が、床を這いながら外へ出て助けを求めていたのです。
壁や床は まるで殺人事件でも起きた後かと思うほど血だらけでした。

その後すぐ、斜め向かいの家のおばさんが私を預かってくれました。
家の中で、出されたジュースを飲みながら
今さっき起きた出来事を頭の中で整理しました。

外で聞こえる救急車のサイレンを聞きながら
「ばぁばとお別れなんだ」とうっすら悟りました。

夕方、母が赤い目で迎えに来ました。
祖母は 肺がんと糖尿病を患っており、直接的な死因は動脈破裂だったそうです。

母はひどく取り乱していました。
葬式が終わってもしばらく何もする気が起きないようでした。

話しかけられるような状態ではなかったため
学校を何日か休んで、その間母の彼氏が面倒を見てくれました。

当時の私は「死」が何か、どんなものなのか理解出来ていなかったので
大好きな祖母の葬式で、1度も泣く事はありませんでした。

「死」を理解したのはそれから2年後くらいでした。
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