愛すべき彼女達 ~十人十色~

千尋の場合………その2

「ちぃ~!!」

「はぁ~ちゃ~ん!!」

「「会いたかったぁ!」」

卒業から2ヶ月のゴールデンウィーク。

私とはぁちゃんは久々の再会に抱き合っていた。

「おいおい、ホンの2週間前にお茶してただろう。」

呆れた先生は

樹先生と二人………可愛い彼女達を生暖かい笑顔で見ている。

「仲間はずれが淋しいんだよ!!
心狭っ!」

はぁちゃんの指摘に

「当たり前だろう。
俺は3週間ぶりなのに………」とブツブツ呟いている。

そう。

私と先生は、3週間ぶりなの。

卒業してこれからは一緒にいられるって思ってたのに。

バレンタインに間を取り持ってくれた

放送部顧問の大川先生に、弱味を握られた先生は。

春休みの間に、去年の生活指導プラスクラス副担任という

二つの仕事を任されちゃったの。

もちろん、はぁちゃんの彼氏の樹先生は去年に引き続きクラス担任。

大川先生に、バッチリこき使われて…………デートはお預けだった。

だから、約束した卒業旅行のディズニーランドもおあずけ。

4月からは、エスカレーターで上がったはぁちゃんは

同じ敷地の大学に進み

私は、外部の短大に通うことになったから………

みんなバラバラで、会ってなかったの。

入学式は、大川先生の配慮で

親の来ない入学式は可哀想だと………先生の時間調整をして

来てもらえたんだ。

それがさっき話した3週間前なの。
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