愛すべき彼女達 ~十人十色~
「ほらッ、今日は早く帰れるからね。
お昼過ぎには幼稚園に行くよ。」

一応、席は幼稚園にあるコウ。

悠人先生は『学校が休みの日は休んでゆっくりして良い』って

コウに言ってるみたいだけど。

4月まで持ってたクラスの子も心配だし

みぃと一緒に居たいからって………必ず仕事をしに来てくれる。

車で幼稚園まで送ってもらっても、中々降りることが出来ない私に。

「ヨシッ!
ちょっと待ってて。」

もう一度ドアを閉め直して、携帯を取り出す。

「おはようございます。
今日は、休ませて学校に連れて行きます。
すみません、お願いします。」

えっ??

内容から………たぶん悠人先生。

ダメ、だってクラスの子供たちが。

『休まない。』って言う前に、勝手に決めて切れちゃった。

「コウ!!」

私の怒りなんて何処吹く風のコウは

「一緒に学校行こうね。」と満面の笑顔。

「………………………コウ…………。」

正直、今日は離れたくなかった。

先生失格だよね。

また落ち込んで………

何が悲しいのか分からないのに……ポロポロ涙が溢れる。

「ほら、行こう。」

片手をギュッと握って…………車を走らせた。

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