悔しいけど好き
次の日の朝も農作業の手伝いをしてお昼ご飯を食べ終わった頃、周くんが迎えに来てくれた。
高級そうなSUVのハイブリッドカー。
周くんらしい車だ。

「じゃあ元気でね?何かあったらちゃんと連絡してよ?」

「はいはいわかったから」

お母さんは私が体調を崩したことを教えなかったことを心配して何度も連絡してよと言ってくる。
心配症の母に苦笑い。
心配させちゃって悪かったなと思う。

「何かあれば俺が連絡しますんで」

横から割り込んだ鷹臣にそれは安心だわとお母さんは喜んでる。
すっかり鷹臣は家族に受け入れられお父さんも凪を頼むとか言っちゃってる。
よっぽど気に入ったらしい。

「じゃあおばあちゃん元気でね」

「はいはい、凪ちゃんもねぇ。また二人で帰っておいで」

ニコニコのおばあちゃんにハニカミながらうんと頷いた。

助手席に、と思ったけど鷹臣に連れ込まれ後部座席に二人で乗り込む。
肩を抱いたままの鷹臣に離してよとか揉み合ってたら前から笑い声が聞こえる。

「くくっ、仲がいいのはわかるけどちゃんと二人ともシートベルトしてよ?」

「あ、うん、ゴメン」

慌ててシートベルトをして、鷹臣も渋々ベルトをしたのを見届けると、じゃあ出発、と周くんはスムーズに車を走らせた。

後ろを振り返り家族に手を振る。
姿が見えなくなると前を向いてため息をついた。

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