悔しいけど好き
「じゃあ何が不安なの?」

話の見えない美玖さんが首をかしげる。

「怖いんです。私達はまだ25でこれからもいろんな出会いがあります。鷹臣はモテる男だし、今後も素敵な女性が現れるかもしれない。今は私が好きだと言ってくれる鷹臣の言葉を信じきれなくてどうしても試すようなことを言って鷹臣を困らせてしまいます」

一気に言ってふうっとため息を吐く。
真剣な顔で黙って聞いてくれる美玖さんに微かに笑って話を続ける。

「私なんかより鷹臣にはもっと相応しい人がいるんじゃないか?私一人に縛られて鷹臣は息が詰まるんじゃないか、幸せを感じるほどそんなことばかり考えてしまう。だからといって鷹臣が心変わりしたら私は耐えれる自信がありません。鷹臣にとって運命の相手が私じゃなかったらと思うと結局私はどうしたいのかわからないんです」

今が楽しければいいじゃないと言う人もいるだろうけど私は軽く考えられないんです、と突いてたデザートも食べず俯いた。

「……それは、神城くんのこと本気で愛してるからこそ真剣に考えてるってことよね?」

「え?……あ、はい」

怒ってるような美玖さんの声に驚き顔を上げて返事をした。
もちろん本気で愛してる。だから怖い。

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