悔しいけど好き
「…………」
難しい顔をして黙り混む明莉。
話終わって暫しの沈黙に耐えきれなくて私はまた苦笑い。
「私って素直になれない上に勘違いして、奴は私のこと好きかもーなんておこがましいこと思ってたりしてさ。あんなに一緒にいたのに奴は他に好きな人がいたの全然気付かなくて、今さら自分の気持ちに気付くとかほんと情けない!私って馬鹿だよねぇ」
しみじみと自分の馬鹿さ加減を思い知ってグビッとお酒を煽ると手前から明莉の手が伸びてきてグラスを押さえられた。
「飲み過ぎ。もうその辺にしておきな」
少し怒ってる様子の明莉にごくっと唾を飲み込み素直にうんと頷いてグラスを置いた。
「ねえ凪、それ絶対何かの間違いだよ。神城君にちゃんと話聞いてみなよ」
「…そんな勇気あったらとっくにしてるよ…」
「神城君が凪のこと好きだって…私だって思ってたよ。他に好きな人がいるなんてあり得ない」
「でも…好きだって…告白してたのは奴の方だよ?」
しっかり聞こえた、好きだって言った奴の声。
耳にこびりつく優しい囁きは私に向けられたものではなかった。
俯く向こうでふうっと呆れたようなため息が聞こえる。