恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


「ねぇ。碧斗。これなんだけど…」

図書室で美紗都と一緒に参考書を探してる。

とにかく…東都医科大に合格しなきゃならない。
そのために…美紗都と一緒に勉強するのはいいことだ。
コイツと知り合ったのは体育委員の委員会でだった。
特進なんて運動できない奴の集まりだから、俺みたいに運動神経いいと、どうしても選ばれちまう。
13組の体育委員が美紗都だったってわけ。

んで向こうからしゃべってきて…
しゃべってみたらコイツもおんなじ境遇ってことがわかって…
めちゃくちゃ死んだ親父のこと尊敬してるとこも共通してて…
勉強しなきゃならない内容も同じで…
お互いに言ってること分かり合えるから…
自然と毎日しゃべっちまう。

「どれ?」

美紗都が指差す先を見る。

「あー。それが?」

「解き方ってこれでいいと思う?」

「んー。もうひとうあんじゃね?ほら、こういうの。」

「あ、ほんと。碧斗、やっぱすごいね!」

美紗都が俺の腕に絡み付いた。

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