恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
予行演習…ね…。

「それを大義名分に息子と娘に弟の世話おしつけてんじゃねーよ。っんとに…」

「あら…感謝してるわよ。あなたたちには。」

母さんがまだ先日首が座ったばかりの結斗(ゆいと)を抱き上げた。

オムツを変えてもらって嬉しいのかキャッキャと嬉しそうに笑ってる結斗。

そう…
母さんは先日、俺と杏の弟、結斗を産んだ。
40歳っていう高齢出産ではあるけど、どうしても父さんとの愛の結晶を産みたかったらしい。

まあ、わからないでもない。
妊娠が分かったのは結婚してすぐだった。

ただ今育児休暇中。
1歳になったら復帰するらしい。
「最初は夜勤免除だけどね。」と言ってたけど、やってけんのかなんなのかわかんねー。

妊娠を聞いたとき、
最初は杏と2人、びっくりしたけど…

いざ産まれて見てコイツが俺と杏の半分づつの弟だと思ったらなんかかわいくって仕方ないのは事実で…

俺は母さんから結斗をもらうと、こちょこちょしてあやしてやった。
結斗はきゃはきゃは笑って喜んでる。

「そんなこと言って…ほんとに可愛がってる」

杏がキッチンから出てきて結斗のほっぺをムニってつまんでる。

「ほら、また笑うんだー。」

杏も小さな弟にメロメロなのだ。

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