大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
「二人に何があったかは分からないけど、俺達はここでお暇するよ。それじゃあ、また今度改めてみんなでご飯にでも行こう」

「あ……、悠真だったのか……いや、すまねえ取り乱した」


 気まずそうに涼は視線をあちらこちらへと彷徨わせる。莉佳子が何やら物言いたげな不機嫌そうな表情になっていた。


「いいよ。涼も美咲にちょっかいは掛けないでね」


 サラッと釘を刺しておく。涼が頷いたのを確認して、美咲の腰に手を回したまま店を出た。あそこにいても注目を浴びるだけで気まずい。会計は涼に付けておいても構わないだろう。


「え……っと、悠真?なんか……怒ってる?」


 密着している美咲が恐る恐る俺を見上げる。子うさぎのような可愛らしさはそのままな童顔の彼女は、誰もが陥落しそうな怯え方をしていた。


「そうだね。しっかりと話し合いをしようか」


 人通りはまばらになってきているとはいえ、丸の内というオフィス街で話す内容ではないし。
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