大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
「いえ……、美咲は何か思い詰めていたわ。きっと実行するわよ」

「え?」

「貴方が美咲に言った通り、私達もそろそろ結婚適齢期なのよ?悠真だってアメリカから帰ってきたのだし、そろそろ結婚の話が持ち上がっていてもおかしくないわ。いえ、美咲の方に結婚話があるのかも」


 彼女の予測に俺は思わずげっ、と顔が引き攣った。


「涼、しっかりしてよ。貴方には頑張って欲しいの」


「へいへい」とやる気のない返事をして、俺はまだ内心余裕をもっていた。

 まあ、たぶん実行には移せないでしょ――と。


「それにしても、俺が美咲にプロポーズした事に関しては気にならねえんだ?」

「だって冗談でしょ?美咲も分かってたもの」


「まあそうなんだけど」と返しつつ、面白くない気持ちになる。自分で言っておいてなんだが。

 ウェイターを呼び、手早くクレジットで会計をする。慣れきったように「ありがとう」と言う女に小声で誘った。


「それで?今日も俺の家、来るでしょ?」
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