お願いだからそばにいて
『君、昨日会ったよね?』
俺はそう言った。
『あ、うん』
彼女は目を逸らし、窓の外を見つめている。
俺は少し戸惑ったけど、友達がクラスにいるか呼びかけた。
『私だけど…、どうしたの?』
『この人、って記憶喪失してる?』
『してないけど…』
『じゃあ、幼なじみに向かって誰っておかしいよね、桜』
俺がそういうと桜はぽかんとする。
クラス中がえええええーっと悲鳴を上げた。
『か、なで…』
そう言って泣く桜が可愛くて背中をさすり続けた。
あれから少し立って俺は告白したけど断られた。
それから学校を休んでいた。
あるとき、篠崎から電話がかかってきた。
『なんだよ、篠崎』
『桜、最近様子が変なの。とにかく学校に来て』
そう言われ、翌日遅めに学校に行くと、篠崎が言った。
『急いで保健室近くまで行って!カバン持ったまま!』
俺が向かうと桜がいた。
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