エリート弁護士は独占愛を刻み込む
12、過去の呪縛
「あ〜、やっと終わった〜!」
時刻は午後六時過ぎ。
今日一日、みんなの好奇の視線に耐えた。
よく頑張ったよ、私。
デスクに突っ伏すと、正一さんの声が耳に届いた。
「それでは僕はこれで失礼します」
この場から逃げるようにオフィスを退出する彼。
顔を上げて挨拶を返そうとするも、もう正一さんの姿はない。
「……もういなくなってる」
ドアの方を見て苦笑いすると、恭吾さんと目が合った。
ひょっとして私と恭吾さんのこと気にして帰ったのかと思ったが、恭吾さんの見解は違った。
「あの慌てよう。今日はイブだから彼女と約束でもあるんだろうね」
彼の発言に素っ頓狂な声をあげる。
「え〜!正一さんに彼女いたんですか?」
今まで栄光の世代の三人の弁護士が目立ちすぎて、正一さんにはあまり注目していなかったけど、彼も堅実で、弁護士にはなれなかったけど頭もいいしモテると思う。
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