エリート弁護士は独占愛を刻み込む
『うちには余っている部屋があるし、家事をやってくれるならタダで住んでもらって構わない』
それで、彼に会った次の日にはここに引越してきていた。
事務所から徒歩十分のところにある赤坂の四十五階建てのタワーマンションのペントハウス。間取りは五LDK。
私のお給料では拝むことも難しい超高級物件。
引越し費用も全部彼が何も言わずに出してくれたんだよね。
でも、お金が貯まったら彼にその費用を全額返して、早くここから引っ越そう。
やっぱり親戚でもないのに恭吾さんと同居するのはマズイ。
お金がないから出て行けずにいる自分が情けなかった。
ハーッと溜め息をついてパンプスを脱ぐと、バッグに入れておいたスマホが鳴った。
バッグの中を漁ってスマホを取り出せば、恭吾さんからのライン。
【今日は八時には帰るよ。鍋、宜しく】
もっと遅くなると思ったけど、意外に早い。
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