エリート弁護士は独占愛を刻み込む
慌てて玄関に戻ってドアを開けると、そこにはクリーニング屋さんではなく恭吾さんがいた。
「なんだ。クリーニング屋さんじゃなかったか」
あからさまにがっかりする私を見て彼は目を細めた。
「こら。ちゃんとモニター確認しないと危ないよ」
上司というより父のように注意する彼にテヘッと笑って謝る。
「ごめんなさい。恭吾さん、鍵は持って行かなかったんですか?」
鍵を持ってればこの部屋の玄関のインターホンは鳴らさなかったはず。
あれ?
じゃあ、マンションの玄関はどうやって入ったのだろう。
「葵に出迎えてもらうのも楽しいかと思ってね。それより、いくらセキュリティーがしっかりしているマンションでも万全ではないよ。これからはちゃんと確認すること。葵ってしっかりしているようで危なっかしいよね」
こっちはこれから夕食の準備だっていうのに、思いつきで呼び出さないで欲しいよ、まったく。
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