歌舞伎町ボーイズ
 夜の世界など、およそ果てがない。


 それに、ホストなどと言っても、入れ替わるのは早い。


 クラープにも、いろんな人間が出入りしていた。


 実際、俺も知らない人間がいる。


 若手のホストなど、どこからどうやって入ったのか、分からない。


 大方、履歴書を持参して、面接でも受けて、採用されたのだろう。


 ホストは適当に仕事をもらい、適当にやる。


 いくら給料が良くても、辞めていく人間は多い。


 慣れていた。


 そういう事情に。


 別に、こういう世界の水など、不純だ。


 濁り切っている。


 だが、それしかないなら、飲むしかない。
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