歌舞伎町ボーイズ
「ケン、ライン?」


 と訊いてくる。


「ああ。コウジが打ったんだ。俺も今日は歌舞伎町に行かないと」


「あたしも夕方から勤務よ。夜明けに帰るけど」


 彼女のシフトは、午後の遅くから、らしい。


 そう言えば、ユキもいろいろあってるようだ。


 疲れていて。


 眠りが浅いのだろう。


 わずかな物音で目覚めるようである。


 そう言えば、ユキも都内の精神科の病院を受診していると聞いていた。


 マックでの勤務も疲れるのだろうと思う。


 俺は彼女のマンションで、ユキからミネラルウオーターを注いでもらって飲みながら、


「ユキ、仕事無理するなよ」
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