指輪の魔法がとけた時
慎と過ごす時間はとても心地いい。

ありのままの私でいられることに、傷ついた心が身体が、少しずつ新しい細胞にかわり、再生されていく気がする。

不思議な人だ。

するりと私の心に入り込み、私の心をじわじわと侵食していく。

だいぶほろ酔い気分になったころ、左手に輝く指輪に気づき、指から抜き去りテーブルの上に置いた。

「これ、助かりました。
どうもありがとう。お返ししますね」

私好みの素敵なデザインの指輪だ。
こんな素敵な指輪を贈られたら嬉しいだろうななんて思っていると

「そのままつけてろよ」

とその顔はどこか不機嫌だった。
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