Dangerous boy
私は、優花さんと睨み合った。


私は、尚太君を好きになった自分を信じる。

私だけだと言ってくれた、尚太君を信じる。


「その目なのよね。」

そう言って、優花さんはため息をついた。

「今までの人にも、同じ事を言ったわ。でも、同じ顔をして言うの。”こんなに好きな人には、もう巡り合えない”って。でもね。尚太を知れば知る程、どの女も離れて行くのよ。それも一緒。」


優花さんによれば、私は今までの尚太君の彼女と、同じレールに乗っているようだ。

だからと言って、皆と同じように、レールを必ず降りるとは限らない。

「……今は黙って、見守ってくれますか?」

「はいはい。それも、言ってた。」

今は何を言っても、そう言われるんだろう。

だったら、態度で示すしかない。


「ご忠告、ありがとう。優花さん。」

私はそう言って頭を下げると、お店から離れた。
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