甘味好き御曹司とお見合い結婚!?

 「あぁ、お祖母ちゃんのお味噌汁が染み渡るよ! やっぱ朝はこうでないと!」

 和美は、ニコニコと朝ご飯を平らげた。

 「和美ちゃん、ゆっくりしていきなさいね。夏乃、私は今日協会支部に顔を出すからお昼はいらないからね」

 「分かった、気をつけて行ってきてね」

 そうして、お祖母ちゃんを見送って一時間後には私と和美も都会へと向かう電車の中で揺られていたのだった。

なぜ都会に向かうのか? 今回の話を聞いて、和美が私にトータルコーディネートでデート服を複数買い揃えると豪語したため。

向かう先の都会の大きなショピングモールには、和美の所属会社のショップも複数入っていて、社員証見せると割引で購入出来るそうで、そこに行くと言った。
私は地元の駅ビルで良いと言ったのだけれど、そこはファッションに強い和美のこと。
地元より都会のショッピングモールの方が新商品の入荷が早いとかで、そっちに行くことに強引に決定されてしまった。

そんな訳で、私は久しぶりに電車に乗って移動しているのであった。
平日の午前十時ともなれば電車も空いていて、和美と並んで座って目的地までたどり着けそうだ。

「なんかこんなふうに二人で電車で出かけるのって、久しぶりじゃない?」

ここ最近は地元の洋菓子店巡りだったり、和美の車で移動してたりして電車で出掛けるのは久しぶりだった。

「確かに、最近は車が多かったもんね。今日も車でも良かったかもしれないけれど、たまには電車でもいいでしょ?」

「そうだね、なんか学生時代に戻ったみたい」

私たちは制服を着て、今乗ってる電車で中学、高校に通っていた。
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