愛というもの~哀しみの中で~
「ねっ?きっと大吾くんは茉莉ちゃんしか見てないし、浮気してるようにはみえないでしょ?」

私は泣きながら頷く。

「どうしてこんな状況になるのか詳しくは聞いてないからわからないけど、はめられたって言ってたよ。大吾くんってかっこいいし、きっと優しいんだろうし、モテるんだって。狙ってる女の子も多いみたいよ。その女の子の中には考えられないようなことをする子もいるんだろうね。でもこんな風に茉莉ちゃんを苦しめた罰として今夜は茉莉ちゃんを独り占めしちゃう。」

「そっか、大吾やっぱりモテるんだね。フフッ、なんで私なんだろう、こんなに面倒くさくて重たいのに…。」

「え~、私が男だったら茉莉ちゃんがいいけど?可愛いし、一生懸命生きてて、何事にもまっすぐ真面目でかっこいいもん。ねぇ、茉莉ちゃんは?大吾くんのどこが好き?」

「えっ?どこだろう?全部かな。」

「アハハッ、今一瞬でのろけられた気分。そんな真顔でさらっと全部って。」

そう言われて、今まで泣いていたのに顔から火がでそうなほど恥ずかしくなった。
だれかに大吾のことでのろけるのはなれてない。と言ってもきいてくれるのは由実ちゃんだけだけど。

「恥ずかしい、別にのろけるつもりはなかったのよ。ただ、大吾が私を好きだなんて奇跡みたいで…。だから泣いていたのは心配。」
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