愛というもの~哀しみの中で~
「そっか、茉莉ちゃんは偉いな!よく頑張ってるよ!」

そんな話をしながら帰るとやはりすぐに家に着いてしまった。
ドアの前に着くとすぐに帰ろうとする芹沢さんの腕を掴んだ。

「えっ?どうした?」

芹沢さんは驚いて俯きぎみの私の顔を覗き込んだ。

「あ、あの、暑いし、汗かいてるから…その、麦茶しかないけどどうですか?」

私は詰まりながら勇気を出して芹沢さんを誘った。怖いはずなのに帰って欲しくなかった。
夏休みになったらこんな風に歩くこともなくなるし芹沢さんだって他に惹かれる人ができちゃうともうこんな時間は終わるかもしれないって何故だか焦っていた。

「お、おう。のど渇いてたから助かる。」

芹沢さんを招き入れると部屋に備え付けのエアコンを入れた。
自分一人なら電気代がって気になって付けないのに…

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