愛というもの~哀しみの中で~
しばらくと泣くと恭吾は眠ってしまっていた。

「最近恭吾の様子がおかしいんです。私を嫌がるの。どうしたらいいのかわからなくて…。保育園にお迎え行っても嫌がって帰ってくれなくて。ご飯も食べてくれないし。」

「そっか、きっと大吾がいないことを理解してきたのかもしれないな。甘えられる茉莉さんに反抗して淋しさと戦っているんじゃないかな。」

「私、母親なのに恭吾の気持ちがわからない。やっぱり捨てられた子だから…、母親になれないのかもしれない。私には大吾がいてくれないとダメなのに。お金なんていらない。頑張って働くから、私は大吾にいてほしかった。」

私の涙は出ても出ても止まらなかった。
真さんはこんな私たちを置いて帰れなかったのだろう、その日はうちに泊まると言い出した。
恭吾は目が覚めても真さんがいることを喜んでいた。
お風呂も一緒に入ってくれて、大吾のパジャマを着てもらった。そうすると体系はがっちりとした大吾と違って真さんは細見なのにやっぱりどことなく似ていて声もそっくりだから大吾がいるみたいだった。

「茉莉さん、夜ご飯は俺がつくるよ。こう見えて一人暮らしだからある程度のものは作れるんだ。」

「そんな、申し訳ないです。」

「味は保証しないけど、食べれなくはないと思うよ。」

そう言って張り切って冷蔵庫を覗いていた。
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