愛というもの~哀しみの中で~
「ミルクレープ好きだったんだ。知らなかった。」

「私、茉莉ちゃんが初めてミルクレープを見た時に一緒にいたんですけど、すごかったんですよ。目から星が飛んでました。」

って笑いながら由実ちゃんがその時の話をしていた。

「あの時の写真ってどこに直したかなぁ。茉莉ちゃんのうれしそうな顔があまりにも可愛かったから写真撮ってもらったんです。」

「へぇ、見てみたいなぁ。ここはケーキも美味しいって人気だから好きなのを頼むといいよ。コーヒーも美味しいよ。」

そう言って私は大吾がいなくなってから初めてミルクレープを食べた。
食べたことのある味と少し違ってフルーツが入っていた。でもすごく美味しくてまた泣いてしまった。

ご飯を食べると由実ちゃんとは別れて二人で買い物に行った。
昼間から二人きりってあまりなくてさりげなく手を繋がれてなんだか恥ずかしい。
デパートに行き、洋服を見ていると真さんは何の躊躇もなく気に入ったものを全部買ってくれた。恭吾の服もいろいろ見て回ってやっぱり真さんが買ってくれた。
いいって言ったのに、こういう時の真さんは少し強引だ。
デパ地下のお惣菜コーナーでいろいろと夕食用に買って帰った。

「今日は主婦業お休みしてゆっくりするといいよ。」

って帰ってからも真さんが率先していろいろしてくれて何もしないことに落ち着かなかった。
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