甘々王子と少し真面目なヤンキーの私のはなし。
第1章

始まりは錆びた扉の音

「きりーつ れーい」

「「「おねがーいしまーす」」」


朝の挨拶。
オレ 紅月 善 は、ヤンキーだ。

だけど、そこらのヤンキーとは違う。
授業はきちんと受けるし、遅刻もしない。
課題の提出もするし、テストの点もそこそこいい方。

ヤンキーってのは、

髪色は金髪で前髪と後ろ髪を伸ばして後ろでゆるく括っている。

あごマスクは黒を着用

スカートなんかなげーの履いて

裸足で上履きを履く。


なんでそんななのかは、オレの弱さを隠すためだ。

小学生の頃、数人からいじめにあっていたオレは中学で不登校になった。
それでも勉強は諦めず、中学は義務教育なこともあり、何とか卒業し高校でオレはヤンキーになった。


暴力行為をするとか授業妨害をすることはない

わけだが、先生からは嫌われ、クラスメイトも怖がって近寄ってこねぇ

避けられてるっつーわけなんだけど


まあ、いじめにあうよりマシかもな


昼の時間を告げるチャイムが響く

オレは弁当箱を持って屋上に向かった。



屋上にはいつも1人

2年生になった今、学校でのこんな生活もなれ
寂しいとか悲しいとか友達欲しいとかそんなことも感じない。


これからもこんな生活が続くんだろうなって勝手に思ってた。

のに─────────



『ガチャん キィーーー』


錆びた扉の開く音に驚く。

あそこの扉が勝手に開くわけないからだ。


扉の方向に顔を向けて、誰が来るのかと気配を感じとる。

扉から出てきたのはこの学校の生徒会長だった。



会長はゆっくりとオレの方に近寄ってきて


「紅月 善さん。私とお付き合いしませんか?」


唐突に告げられた告白。

オレは多分間抜け面だろう。


「へ?」


口から出た音空気の抜けるような声で恥ずかしくなる。


「ふふ、可愛いですね」

柔らかく笑う彼はこの学校の生徒会長 板垣 蓮斗
甘いルックスと言われるのも無理はないほど整った顔立ちの彼は今。このオレに告白したわけなのか?

金髪だぜ?

黒マスクつけてんのに?

友達ゼロだし?


そんなオレにこいつが?


「からかうなら他当たれよ」


オレは冷たく言い放って弁当を片付けてさっさとその場を去った。

女には困ってねぇだろうから

さっきのは罰ゲームかなんかだろう

まじ意味わかんねぇな

階段を降りながらさっきの言葉が頭出回る。


あー

顔があちい…/////
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