幼なじみの不器用な愛情
華がうつむくと隆弘は華の頭を撫でて去って行った。

「華」
今日もバイトが終わる前に高橋が華をお迎えに来てくれた。
高橋も採用試験を数社受けていて明日も試験がある。
「高橋君。いいのにお迎え。明日試験でしょ?」
華が高橋に言うと高橋はいつものクシャっとした笑顔を見せる。
「だからこそ来たんじゃん。」
高橋はそう言って華の頭を撫でた。
「・・・もう・・・」
華が照れてうつむく。
「それと、俺は確かに高橋だけど高橋慶吾って名前なんですけど?なんかいいったら名前で呼んでくれる?」
「ごめん。慶吾君。」
そう言いながら耳まで赤くなる華に高橋の耳も赤くなる。
「俺まで照れ臭いわ。」
華は高橋を廊下で待たせて、更衣室ですぐに着替えをした。
そっと隆弘のロッカーの前に栄養ドリンクを置く。そのドリンクを指で撫でながら頑張れというメッセージを込めた。
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