絶対的Beast
息をすれば大和先輩の匂いが周りに漂っているのがわかる。

き、来たぁ……!!!

背中には冷や汗がツーッと流れる嫌な感触。

何か……悪寒もしてきた……。

そんな体の至る所に起こる異常を必死に抑え込みながら、ゆっくり大和先輩を振り返る──────────

「なんでこんなとこに突っ立ってんだよ」

っ……近いっ!!

思っていたより間近にあった大和先輩の整った顔。

気を抜けば見とれてしまいそうになる……。

私は慌てて顔を逸らして必死に胸を落ち着かせた。

「あ、開いてない、かなぁ……って」

「お前さっきドア開けてただろ」
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