絶対的Beast
『相変わらず理解力皆無だな』

『何か言いたいことでもあるのか?』

あの冷徹な王様が私なんか運ぶとは思えない……。

……まぁでも、大和先輩も人間だし、さすがに倒れた私をそのまま放置なんてしてない……よね?

「大体、なんで体育倉庫なんかにいたの?」

「えっ? えっとー……それは……」

祐希ちゃんの鋭い指摘にそっと視線を逸らしながら私は言葉を詰まらせた。

なんて答えれば……。

私が体育倉庫に行く理由なんて何も無い。

「散、策?」

「なんで疑問形?」

うっ……。

勘が鋭い祐希ちゃんに嘘つくのとかほんと無理。
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