絶対的Beast
「依織先輩! このあとも頑張ってください!」

私は依織先輩の背中に向かって、そう投げかけた。

ほんとはさっきの1500mのこととか、かっこよかったって、おめでとうって、依織先輩に言いたいことはたくさんある。

だけど、それは後にとっておこう。

今は、依織先輩が私にしてくれたように、頑張ってと、応援することが1番合う気がするから……。

依織先輩は私の言葉にくるっと回れ右して、こちらを振り返った。

私の大好きなあの笑顔で。

「ありがとう! 葵唯も──────────……っ!? 葵唯!! 危ない!!」

「え?」

私の大好きなあの依織先輩の笑顔が、あっという間に真剣な表情へと変わった。
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