絶対的Beast
『ふっ』

脳裏に浮かぶのは、冷ややかな笑みの大和先輩。

むかつく……!!

苛立つ気持ちをグッとこらえながら必死に足を回転させれば、気づけば生徒会室はもう目の前。

「はぁ……はぁ……」

肩で息する私の目の前には『生徒会室』と書かれたドア。

昨日と全く同じ光景だ。

ーコンコン……ガチャ。

「失礼、します……」

昨日と違うことといえば、恐る恐る入らないことぐらいで。

息も絶え絶えに生徒会室のドアを開ければ、昨日と同じく、ほのかに先輩の芳香が鼻をかすめた。

……あれ?
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