身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「まあ、そのうち飽きるわよ。お互い。礼華も嫌われるように努力してるんでしょ?」

私の顔色を窺うように聞いたお姉ちゃんに、私は小さくため息をついて自分の部屋へと戻った。
貰ったクマを複雑な気持ちでベッドのわきに飾ってみる。

可愛らしいクマの中のキャンディを一つ口にいれると、口の中に甘さが広がる。
「おいしい」

こんな可愛らしいものを大村さんが買っている姿を思い出して、知らずに笑みが零れ落ちた。
しかしすぐに現実を思い出す。どうしよう……。

今日ははっきり言って楽しかった。
でも、大村さんは私ではなく、お姉ちゃんだと思っている。
私はなんの肩書もない。変わることなど到底できない。

また会う約束をしてしまった事実が、私に重くのしかかった。



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