身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
啞然とするも、ゆっくりすればもっと大変なことになるはずだ。
調べるとバスで他の駅へ向かえそうなことが分かり、私は急いで仕事にキリをつける。
「じゃあ、お先に失礼します」
「気を付けて帰れよ」
その言葉に、私は小さくお辞儀をすると足早にフロアを後にした。

外に出ると、予想以上に雪が地面を真っ白に覆っていて、私は驚いて周りを見渡した。
もちろん急いで会社を出てきたこともあり、置き傘も持ってこなかった。
「また取りに戻るのもな……」
ため息とともに零れ落ちる自分の言葉と同時に、雪の中へ足を踏み出した。
サクサクと言う音と一緒に、髪に雪が降り積もり冷たい。
駅までそんなに遠くはないが、着いたころにはかなり濡れていたことに気づく。

それでもなんとかバス停を見つけると、長蛇の列ができていた。
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