身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
2カ月が過ぎたころ、悠人さんに夕飯はいらないと言われた週末、ようやく予定のあった明日香と飲みに行くことにした。
会社から少し離れたBARで、ダーツやスポーツ観戦もできるお気に入りの店だ。
料理もすごくおいしく、雰囲気がよいこの店はとても混みあっていた。
そんなこともあり、私と明日香は3席だけ空いていたカウンターへと座る。
にぎやかな方が話をしても周りには聞こえない。そんなこともあって私はあえてこの店を選んだ。
もう誰かに相談したくて仕方がなかった。こんな状況になってしまったのは、ずっと正直に言えなかった私のせいだ。
しかし、どうしてもあの笑顔を見ると、優しく微笑まれると言えず今日まで来てしまった。
運ばれてきたビールを一口飲むと、私は明日香を見た。
「なに?どうしたの?」
美味しそうにピクルスを口に運ぶ明日香に、私はどこから話すべきかわからず一度開きかけた口を閉じる。
「なに?」