身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
何を言っていいのか、わからない。きちんと“私はお姉ちゃんじゃない”そう言わないといけないと思っていた決心はどこかに行ってしまっていた。

言われるがままお風呂に入ると、なぜか涙が零れ落ちた。
何をやっているのよ……。
自己嫌悪で今なら死ねそうな気がしたが、それでも悠人さんとのキスが嬉しい自分もいる。
その涙を熱いシャワーを頭から浴びて隠す。
悠人さんはどういう気持ちで私にキスをしたのだろう?

お姉ちゃんじゃないと知ったら、私にはなんの取り柄もないと知ったらどう思う?
その時の悠人さんの反応が死ぬほど怖い。

私はもちろん眠れるわけもなく、外が明るくなるまで、夜半過ぎに降りだした雪を見ていた。

その雪は積もることなく、少しだけウトウトした私は朝食を作るためにキッチンにいた。
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