スーパーモテ子とメガネザル



「きゃっ…」



聞こえてきたのは

秋の短い悲鳴


俺は秋をぎゅっと抱きしめる


初めて抱きしめた

秋の体


性格とは正反対の


細くてか弱い体



もっと強く抱きしめたら


ばらばらに崩れてしまいそうな


小さな体






「ちょっと…何すんのよっ…」



と戸惑っている秋の声が聞こえる


抱きしめていて顔が見えないのが


唯一の救いだ…



きっと顔を見たら


伝えられなくなってしまう







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