見ツケテ…
「写真には確かに写ってるのに」


美奈が呟く。


「気のせいだって。気にしすぎなんだよお前ら」


直弘が明るい口調でそう言った。


「蛍光灯の光が入り込んでこんな風にみえたんじゃないか?」


直弘に乗っかるように知樹が言う。


その瞬間、重たかった雰囲気が多少変化した。


美奈も、安堵した表情になっている。


「そうだよね」


あたしはみんなに合わせてほほ笑む。


しかし、胸の中は嫌な予感に支配されていたのだった……。
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