見ツケテ…
☆☆☆

夜が来ていた。


ベッドの中にもぐりこんだあたしは、すぐに深い眠りについた。


昼間色々なことがあって疲れていたのかもしれない。


夢の中で、あたしは知っている景色の中にいた。


「ここは……貯水池?」


周囲は白い霧に覆われているけれど、そこは間違いなくあの貯水池だった。


頭の中からこの場所のことが離れないから、夢の中にまで出てきてしまったみたいだ。


霧が肌にからみつき、少し寒さを感じた。


梅雨時期のジメジメとした空気ではなく、真冬の朝みたいな空気をしている。


息を吐けば白くなって消えていきそうな雰囲気があった。


不気味だ……。


貯水池に背を向けて歩き出そうとした時だった。


不意に腕の中が重たくなった。

< 55 / 210 >

この作品をシェア

pagetop