見ツケテ…
そんなあたしを見て両親は呆れていたけれど、それを無視してお風呂に入った。


別にスマホが使いたいわけじゃない。


1人になりたくないだけだ。


《恵梨佳:今お風呂に入った》


《美奈:あたしもそろそろ入らなきゃ。だけどお風呂に入ってる時もメッセージしてね?》


《恵梨佳:もちろんだよ》


こうして美奈とメッセージのやりとりをして湯船につかっていると、徐々に体が温まって来る。


それにつれて心も落ち着いて来た。


ホッと息を吐きだし、スマホを窓の下に置いてシャワーを出した。


髪を洗えばすぐに出られる。


そう思って頭から水を被った。


温まった体が少しずつ冷えて行く。


おかしいな。


いつもなら、もっと早くお湯が出るのに……。


不信感を抱いた瞬間、水がヌルリとした手触りに変わり、同時に異臭が鼻を刺激した。


驚いて椅子を引き、顔にかかった水をぬぐう。


そして目を開けて確認してみると……シャワーから出てきていたのは緑色の水だったのだ。

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