契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
第五章 契約結婚
「亜実、お前は俺の、俺の・・・契約結婚の相手だ」(いきなりプロポーズして、また断られたら立ち直れない)

彼は過去の傷を引きずっていた、素直な気持ちを言葉に出来ない、そしてイケメン御曹司だからこその悩みも抱えていた。

「えっ、どういう事ですか」

彼は深呼吸して話始めた。

「会長に俺の嫁さんになってと言われただろう」

「はい」

「俺は社長を就任する前、役員どもに言われた、社長は奥様同伴が当たり前なので、早々に結婚していただきたい、そして後継者を残してくださいと、会長の許可を得た人でお願いしますと」

「好きな人と結婚出来ないんですか」

「あ〜そうだな」(俺はお前と結婚したい)

「亜実、俺と契約してくれ」

「でも・・・」

「断るな、選択肢はない」

「そうじゃなくて、結婚と契約結婚とどう違うんですか」

「俺が決めた契約に基づいて結婚生活を営んでいく」

「後継者を残すって事ですが、だから相性確かめたんですか」

「そうだな」(そんな訳ないだろう、俺が亜実を抱きたくなったから抱いたんだ、愛してるから我慢出来なかった、それだけお前は魅力的だ)

「後継者残せなかったら、私は離婚されるんですか」

「離婚はしない」(好きな女と結婚出来たらもう一生離さない)

「社長は彼女さん居ますよね、どう説明するんですか」

「お前が気にする事じゃない、心配するな」(彼女はいないから問題ない)

「でも・・・」

「いいな、会長のところに報告に行くぞ」

彼は私の返事を聞かずに会長の元へ向かった。
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