契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
社長は私に何か言いたい様子で、でも中々言い出すことが出来ず、しばらく沈黙になった。
意を決したように社長は私に言葉をかけた。

「休みはいつだ」

「来週の火曜日にいただく予定です」

「その日空けておけ、食事に行く」

「はい、でもどうしてですか」

私はなんで社長が食事に誘ってくれたのか全くわからなかった。

「それは・・・あっ、お袋を助けてくれたお礼だ」(お前と食事行って話がしたいなんて、口が裂けても言えるか)

「それならご遠慮致します」

「はあっ?、遠慮するだと」(おい、俺の気持ちも知らねえで断るんじゃねえ)

「社長もお忙しいでしょうし、彼女さん以外と食事するなんて、彼女さんが怒りますよ」

「別に怒らせておけばいい、俺のやることに口出しさせない」(彼女なんていねえよ、いたら誘うかよ)

実は社長には彼女はいない、彼女などいないと言うのが会話の流れとして当たり前のはずが、社長はあまのじゃく、彼女がいるような表現をしてしまった。
私もまさかこの時社長がデートに誘ってくれていたなんて、超がつく程鈍感な私が気づくはずもなかった。

「デートに誘っている訳じゃないから気にするな携帯番号教えろ」(まったく鈍感な女だな、デートに誘ってるってのに)

「はい」

強引に火曜日に食事に行くことになり、携帯番号を教えた。

「これが俺の番号だから、今晩連絡してもいいぞ」(電話で話したいなんて言えるかよ、絶対電話してこいよ)

ん?どういう事?
別に連絡することなどないしと連絡しなかった。
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