契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
第十四章 お互いの思い
彼が部屋に入ると、何かを感じたようだが、それがなんだかわからなかったようだ。
彼はナイトテーブルのジャスミン茶に目を向けた

 (俺がジャスミン茶飲むと、ぐっすり眠れることなんで知ってるんだ、それにメニューは俺の好きなものばかりだ、一体誰なんだ、まさか・・・)

彼はハウスクリーニングと食事を作ってくれる女性に興味を抱き始めた。

私はある日、テーブルの上にメモを見つけた。

《いつもありがとう、食事は俺好みの味付けだし大好物ばかり、細かいところまで配慮されていてすげえといつも思ってる、ナイトテーブルのジャスミン茶、俺が飲むとぐっすり眠れること、君はなんで知ってるんだ、ある一人の女性しか知らない情報だが・・・》

まずい、そうだった、私だけしか知らないことだった。
でも彼がメモ残してくれるなんて嬉しかった。
私は返事のメモを残した。

《どういたしまして、食事の味付けお気に召していただき光栄です、ジャスミン茶は偶然です、私が毎晩やっていることなので、試していただきたいと思い、置いておいたのですが、お役に立てたなら嬉しいです》

彼が帰宅して私のメモを手に取り、またメモを残す、いつのまにかメモは毎日、しかも日毎に枚数が増えていった。
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