契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
「なんか話せ」

なんかって言っても、何を話せばいいの?

「社長は嫌いな食べ物ありますか」

「嫌いな食べ物か、ピーマンかな」

「じゃあ今度ピーマンの肉詰め作りますので食べてみてください」

「お前、俺の話聞いてたか?ピーマン嫌いって言ったんだぞ、俺を殺す気か」

「私が作るピーマンの肉詰め特別なんですよ」

「そうか、じゃあ今度食わしてくれ」

「いいですよ」

それから私と社長はずっと話していた。
すごく楽しかった、時間を忘れてしまい朝になってしまった。

「社長、大変です、朝になってしまいました」

「えっ朝?やっべ、もう切る」

「すみませんでした」

「またな」

社長は電話を切った。
こんなに時間を忘れて話した事はない、楽しかった、また社長とおしゃべりしたいと強く願った。

私は急いで支度をして会長の病院へ向かった。

「すみません、遅くなりました」

「大丈夫よ、珍しいわね、亜実ちゃん寝坊?」

「いえ、朝まで電話して一睡もしてなくて・・・」

「誰と?もしかして柊?」

「なんでわかったんですか」

会長には何でも見透かされている感じがした。
そこへ社長が病室に入って来た。
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