ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方



でも、夕方、保健室で病院に連れて行ってくれるという入江先生の申し出を断って、こんな状況に至っている


だから

『えっ、あ、ハイ。すみません。宜しくお願いします。』

今度こそはさすがに断るわけにはいかず、彼に誘導されるがままに車の助手席に乗り込んだ。


久しぶりに乗せてもらう助手席。
2度目とはいえ、やっぱりドキドキする

ふたりきりの空間にいること、そして、
これから入江先生から何を言われるのかを気にしたことによって


そんなあたしの様子は露知らずなのか
入江先生は通行人に気を配りながら病院玄関前から車を発進させた。
夕方の帰宅ラッシュ渋滞から解放された様子のバイパス。
車は止まることなく、自宅方面に向かった。

詳しいことは車の中で話すと言われた割には静かな車内。
普段から入江先生はペラペラと喋る人ではないことはわかっているので、自分から何か言わないときっとこの状況を打破することができない。



『・・・・・あの~』

「どうした?」


赤信号で停車したスキに声をかけてみたものの
“詳しいこと” を教えてくれることを忘れてしまっているかのような入江先生の反応
でも、忘れたんですか?なんて言えないし・・・


『・・・・う・・ウチまでの道、わかります?』

「ああ、前、1回送って行ったからな。それか、引越しでもしたか?」

『いえ・・・あのままです・・・』

「じゃあ、大丈夫だな。」


丁度、信号が青に変わり、再び車内には沈黙の時間が流れる。
この状況を入江先生がどう思っているのか
気になり始めた時。


「高島・・・」


今度、口火を切ったのは入江先生のほうだった。


『は、ハイ!!!』

「あのさ・・・」

『ハイ!』

「あお・・・・」


入江先生
とうとう蒼井に関することを話してくれる気になった?


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