ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
∫17:あたしなりのケジメ


【∫17:あたしなりのケジメ 】




「高島先生、足の具合、どうですか?」


入江先生が家まで送ってくれて頑張ろうと言ってくれた翌朝。
他に誰もいない早朝の職員室で、テニス部の朝練に出かける前の八嶋クンに声をかけられた。


『うん、まあ、捻挫らしい。松葉杖とかなんか大げさだけど。』

「でも、お医者さんに杖を使うように言われているんですよね?」

『そうなの。早く直したいのなら使えって。』


八嶋クンが心配そうな表情を浮かべる。

昨晩は足の捻挫よりも入江先生に再びフラれたことがそれなりにショックだったから、松葉杖生活のことなんてあんまり深く考えていなかったっけ。



「歓迎会の日、僕が高島先生をちゃんと支えていたら、こんなことには。」

『そんなことないよ。あたしが勝手にバランスを崩しただけだから・・・気にしないで。』

「はぁ・・」


八嶋クンがここまでヘコんでいるのは珍しいような気がする

この学校に赴任してきてまだ2ヶ月ちょっとだから
珍しいと言い切ってしまってはいけないかもしれないけれど


もしかして、昨日、あたしが病院へ行った後、八嶋クンは教頭に何か言われたりしたのかな?



『それより、八嶋クン、昨日、教頭に』

「一応、状況は話しておきました。電車の中では、バランスを崩しかけた高島先生を支えただけだということを。」


いつもの爽やかな笑顔でそう教えてくれた八嶋クンに
申し訳なさ一杯なあたし。


『ごめん。あたしも一緒にいなきゃいけなかったのに・・・お叱りを受けたよね?』

「お叱りというか、忠告ってとこですかね。これからはプライベートでの行動にも気を遣うようにと。それよりも僕がダメージを受けたのは入江先生のことです。」

『はっ?』


あの口うるさい教頭のグダグダな忠告よりも
入江先生からダメージを受けたって・・・

あたしが病院に向かっている間に
八嶋クンと入江先生の間に何かあったの?


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