Little Gang

ガヤガヤという音に重い瞼を持ち上げる・・・。

生きてる?

私即死の場所を撃ち抜いたのにぃ・・。

なんで?

ま・さ・かッ!

土壇場で命可愛さに急所を外しちゃった?

あれ・・・野獣が6匹?


『みんな? どうして?』


「お前の兄貴が・・・無神さんに連絡して、俺達を呼びつけたんだよ」


シンさんがやさしく頭を撫でてくれる。


『っ・・・やっぱり私は、イブになれないみたい・・・』


口の血を指で拭う私に、


「ユリお姉様ッ、死なないでッ」


思いっきり抱きついてきたルナさん。


『助からないよ・・・』


泣かないで? 君の泣き顔には弱いんだ・・・。


「ロメジュリの最後、覚えてる?」


「ジュリエッタが死んだと思ったロメオは彼女の墓で毒を飲んで死ぬんだろ?」


「その直後に仮死状態から目覚めたジュリエッタもロメオの短剣で後を追うんだよね」


ユウタママの一言でシュウさんとハルカくんがうんうんとうなずく。


「いろいろ諸説はあるけどね」


そう言って笑うユウタママは楽しそう・・・。

でも・・・ほんとに世界一短い5日間の恋。

結局バットエンドは変わらないけど、この人のためなら死ねるって素敵だよね。


『私はジュリエッタじゃないよ?』


ヒロトさんは一瞬驚いた顔をしたけど、はぁと大きくため息を吐いて、


「仮死状態じゃないからな。 死神に奪われる前に攫ってやるよ。 安心して寝てろ」

< 169 / 171 >

この作品をシェア

pagetop