Little Gang
黒猫の隠れ蓑

非日常の幕開け


ハルカside

染谷さんがRoseliaの一員になって、3ヶ月ほど経った。

今日は午後からの出勤のため、僕は久しぶりにのんびりとした朝を過ごしていた。

クロワッサンとホットチョコレートで、少しだけ贅沢な朝食を堪能する。

〜♪〜♪

あ、染谷さんだ・・・。


『ユダの選定を命じられた』


思わず、息を飲んだ。

ユダ。 それは、裏切り者を意味する。


『期限は、10日間。クリスマスの前日までに、調査結果を出すようにと』


染谷さんがどんな意図でそれを告げたのか、探る意味合いもあって慎重に文字を打つ。


『上に報告する?』


『まるでユダに心当たりがある口振りだね』


『炙りだすなら好都合なタイミングだよ』


『・・・と、申しますと?』


『僕が一番疑わしいから』


『なぜ? 私は君を信用してる』


『地獄に付き合ってよ』


あの【抱擁】から2日。

染谷さんはこうして定期的に、僕の様子を心配するメールを送ってくる。

昨日、自宅に帰った後なんて・・・。


【戸締まり、黒ずくめには注意!(`・ω・´)ゝ】


というメールが届いて笑ってしまったくらいだ。

・・・嬉しい。

それが、今の素直な気持ちだった。

たとえ染谷さんの全てが嘘だったとしても、こうして少し前までと同じ関係に・・・。

いや、それよりも心の距離が近づいた気がして。

まっすぐで優しくて、どんな困難にもくじけない芯の強さを持ってて・・・。

半端な勝負はしない人。

やると決めたら最後までやってのける人。

直接手を下したのが誰であろうと、Roseliaの関係者は全員逃がさない。

もちろん、Roseliaの姫である彼女も。

それでも君と地獄の旅を続けてるのは、染谷さんの一挙手一投足が腹立つほどカッコいいから。

だから染谷さん。

迷ったなら、カッコいいと思った方を選んで。

・・・僕も、強くなるよ。

染谷さんの隣にいられるように、強く。

< 76 / 171 >

この作品をシェア

pagetop