ウェディングベル


「美里!大丈夫なの?」



姉の心配する声が聞こえたが、聞こえない振りをしてふすまを閉めて、私は古屋千秋の設計図製作所と化した小屋へ向かった。


段々と、視界が緩やかに歪みだし、歩く度に床は柔らかな土の上のように沈んでは浮上するをくり返している。


コメカミ辺りと後頭部がズンと重たく、痛むし、先ほど食べた豪華なおせち料理や、食材が一緒くたになって吐き出されそうだ。


此処で吐いたら、きっと怒られる。


いや、古屋千秋は怒ることは殆ど無い。


けど、恥ずかしい。


私は立ち上がって外の空気を吸うべく歩き出し、古屋家の玄関前へ腰を下ろした。


新鮮な空気のお陰で吐き気は治まってきたものの、頭痛が酷く、眠たい。


重たくなった目蓋が支えきれなくなって、私はそのまま冷たい風を一身に受けながら眠りに着いた。













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